
「弱いロボット」という少し面白いと思った本を紹介します。著者は”弱いロボット”開発者の岡田美智男さんです。
表紙の写真に写っている赤と青の箱はごみ箱ロボットです。ごみを見つけることと、そのごみのところまで移動することはできますが、できるのはそこまでです。ごみを拾う道具備えていませんから。そばを通りかかった人がごみを拾って投げ込んでくれることを期待しています。実際やってみると好奇心旺盛、遊び心ある子どもは何人かやってくれました。大人はというと横目でちらっと見ただけで、全員そのまま通り過ぎていってしまいました。
次にごみを拾う腕をつけました。ただしゴミ拾いとてもへたくそで、ごみをつまみ上げようと何度やっても失敗するのです(そうなるように設計してあるのです)。それを横で見ていた子供が見るに見かねて代わりにごみを拾ってくれると言う仕掛けです。
近頃マスコミで紹介される最新ロボットは、AIを搭載し、四肢指先の動きは人間のそれを上回る機能を持つ―だから完全に人の働きを代替あるいはそれ以上のことができる―ものになっているようです。さらに技術開発が進むと人間はロボットから「もうあんたは要らないよ」と言われる可能性ありですね。これに対して上のごみロボットは何とも頼りない、人が助けてやらねばごみひとつ拾うこともできないやつです。そんな不完全なやつですがなんとなく親しみ感じますし、その弱さ故に何か一緒にやってみてもいいかなと思ったりもします。
実はこの本、13年前に出たのですが、その時点で上に述べたごみを拾う手はまだついていませんでした。ですからごみをうまく摘まみ上げられないのを見かねた子供が代わりに拾ってごみ箱に入れてくれる、というストーリーは著者岡田美智男さんの期待です。皆さんこんなロボットいたら一緒にごみ減らし活動やってみたいと思いませんか。
(神林 誠)
